風水思想とボブ・ディラン
ボブ・ディランが2016年のノーベル文学賞を受賞した。
平成三年(1992年)の大学時代に恩師である渡邊欣雄先生のゼミで「風水思想のコスモロジー」というレポートを提出した。
熱く風水思想とボブ・ディランについて書いた記憶があったので探してみた。手元にコピーが残っていたので引用します。
最後にゼミのレポートとしては適していないかもしれませんが、アメリカのシンガーソングライターであるボブ・ディランの「風に吹かれて」(Blowin’ in the wind)という1960年代に黒人の公民権運動やベトナム反戦運動のテーマソングであった曲について述べておきたい。20歳という年齢とニューヨークの街と公民権運動、ベトナム反戦運動との出会いが産んだ曲だ。今からちょうど30年前の1962年にディラン自身が作詞・作曲した。
この曲のモチーフになっているのは、人生、政治、戦争、大自然などについての疑問を投げかけ、「友よ、その答えは風の中にある」と各連の末に言い放つというもの。渡邊欣雄先生のもとで風水思想について学ばせていただいている間、いつも私の頭の中でこの「風に吹かれて」が流れていました。こうして「風水思想のコスモロジー」と題して考察を進めていくと、やはり「風水」と「風に吹かれて」は根底でつながっているように感じています。そしてこの「風に吹かれて」が洋の東西を問わず、世界中の人々に愛聴され、受け入れられたということに、今後のエコロジー思想も含めて、一条の希望の光が見て取れるように感じています。
2016.10.14.